第1回国際和解映画祭は、無事7月10日〜11日にかけて、大隈講堂にて開催いたしました。
満席での開催になりました。皆様のご来場とご支援、誠にありがとうございました。
受賞作品
審査委員長全体講評
第1回国際和解映画祭は脚本部門・ピッチング部門・映像部門を設け2020年12月20日にエントリーを開始しました。その総数は419。学生の主導でスタートしました。
私たち大人の審査委員は学生の依頼でこの映画祭の審査をお受けしました。
ですので、審査に当たって常に考えて心がけていたことは、この映画祭の公平性・中立性・国際性・クオリティーそして将来性です。
集まってくださった審査委員の方々もそのことを考えて下さっていました。
そしてエントリーを開始して応募してくださったのは日本語脚本部門107、外国語脚本部門29、ピッチング部門は日本語4、外国語1、映像部門は日本語部門49、外国語部門19作品でした。
そのなかから学生審査委員が1次選考を行い、2次審査以降では私たち大人の審査委員と学生審査委員とで作品を選考して最終的に贈賞作品作品を決定しました。
すべての審査過程で公正を第1に心がけこの映画祭を運営してくれる学生さんたちに恥じることのないように第1回の審査を終えることをここに宣言いたします。
沼田通嗣
株式会社テレパック取締役プロデューサー
脚本部門
脚本部門は日本語、韓国語、中国語、英語で合わせて143作品にご応募いただきました。
ノミネートされた作品は以下の7作です:
鹿野洋平「にがい果実とまるい棘」
sachi「グッド・ドライバー」
高橋百合子「I AM ME」
久継遥々「カンナとアンナのグレー
柳澤誠「父のラーメンは、朝から辛い」
シナリオコンペティション
脚本部門(外国語)
国際和解学研究所賞(特別賞)
「힘의 논리」(力の論理)
최승민 (チェスンミン)
講評: 学生間のイジメが、権力者の介入により立場の強い者に有利な形で「和解」が強制的に成立させられるという、「和解」に潜む暴力性や不公平さを描いたエッジの効いた作品。これは今日の日韓関係をはじめとした東アジアが歩んできた「和解」を考える上でもとても示唆的である。ただ作品の中における「和解」の成立過程は単調で、「脚本」としての更なるブラッシュアップを期待する。
外国語脚本佳作
「사이」(間)
한동준 (ハンドンジュン)
講評: コミュニケーションを妨害するものや、交流できない相手を例える時よく使う「壁」を主人公の唯一の話し相手で、他人と繋がるツールとして描いた。和解とは真逆な存在に見える「壁」を敢えて和解のキーにした作者のアイデアの斬新性が輝いた。ただ、もっと丁寧にストーリーを練りこむと日常生活にファンタジーが溶け込んだ面白い作品になると期待できる。
外国語脚本優秀賞
「푸른 매듭」(青い結び目)
김지연 (キムジヨン)
「힘의 논리」(力の論理)
최승민 (チェスンミン)
講評: 学生間のイジメが、権力者の介入により立場の強い者に有利な形で「和解」が強制的に成立させられるという、「和解」に潜む暴力性や不公平さを描いたエッジの効いた作品。これは今日の日韓関係をはじめとした東アジアが歩んできた「和解」を考える上でもとても示唆的である。ただ作品の中における「和解」の成立過程は単調で、「脚本」としての更なるブラッシュアップを期待する。
講評: 和解のプロセスと結果を上手く表していると同時に、日本人と韓国人の小学生という設定で個人間での和解を日韓関係に照らし合わせ考えられる余地が大きい。ただストーリーの展開が単調で、クライマックスといえる場面がなかったという点は少し残念である。
外国語脚本最優秀賞
今年初めて開催される「和解国際映画祭」の企画部門には外国からの応募もたくさんあったが、映画祭の趣旨である「東アジア」を取組んだ和解という大きなテーマに沿った作品は少なく、残念ながら最優秀作は見送ることになった。しかし、映像化の可能性が高い作品は多数あったので、今後を楽しみにしたい。
シナリオコンペティション
脚本部門(日本語)
日本語脚本佳作
じいさんとジャリガール
上野詩織
日本語脚本優秀賞
静と動
古生愛恵
パートタイムファミリー
鹿野洋平
日本語脚本最優秀賞
話芸の神髄
丸蟲御膳末吉(右脳中島オーボラの本妻)
映像コンペティション
映像コンペティションでは、和解をテーマに日本語作品で49、韓国語作品で19の応募の中から、選ばれた8作品が二日間大隈講堂で上映されました。その中から、受賞作が選ばれました。
学生賞
「구원」(救援)
장형규 (チャン・ヒョンギュ)
審査員特別賞
そんな別れ。
渡邉高章
国際和解学研究所賞
露光時間
角洋介
佳作
お揃いの孤独
横浜岳城
「구원」(救援)
장형규 (チャン・ヒョンギュ)
優秀賞
「Ganache」
최한나 (チェ・ハンナ)
最優秀賞
該当なし
和解大賞
該当なし