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活動報告:ERIFF SALON TALK With クリエイターズ〜映画による和解の可能性を考える〜

最終更新: 2020年9月14日

早稲田大学政治経済学部2年 生井海東


 先日8月29日、東アジア国際和解映画祭学生実行委員会(ERIFF学生実行委員会)は記念すべき第一回ワークショップ型イベントを開催しました。大変ありがたい事にイベント当日には、予想していた人数よりも多くの方々が参加してくださいました。映画クリエイターだけでは無く、東アジアの政治や歴史などに興味持ってくださった方、それに日本以外から参加して頂いた方など、色んな方々が今回のイベントに参加してくださり、運営側としても開始早々ワクワク感でいっぱいでした。また、今回のERIFF SALONでは一般社団法人日本放送作家協会理事長兼東アジア国際和解映画祭共同実行委員長のさらだたまこ先生が直々にご登壇され、ERIFFが目指す理念、先生ご自身がERIFFに託す思いや放送作家としての立場から「和解」における「映画」の意味などについて語って頂き、後半のディスカッションでは、我々の質問に対する答えや意見を述べて頂き、またと無い貴重で贅沢な機会を与えてくださいました。


 今回のERIFF SALONは、「和解・東アジア・映画」という3つのキーワードを中心に、参加者が自由に自分の考えや疑問などを述べるフリー・ディスカッション形式で行いました。各自自分の考える和解の意味や東アジアにおける問題についての考え、映画と和解の関係性などについて思う存分に自分の意見をぶつけ、大変刺激的な議論が繰り広げられてました。特に「『和解』という言葉を聞いて何を浮かべますか?」という問いに対して、一人一人、「和解」について異なる注目点や考えを提示し、大変印象的でした。和解とは譲り合いであると言う人もいれば、お互いにわかり合う事が和解であると感じる人、さらには和解における「正義のあり方」について考えなくてはならないと訴える方もいました。自分も、様々な意見を耳にする事で、「和解」とは実に多様で、可変的な概念である事を再度確認し、様々な捉え方があるのだと言う事を実感しました。それはまた、学問としての和解の研究である「和解学」においても同じ事であり、「和解」という概念は時代や文化、歴史的背景や価値観など様々な要素に影響され、個々人や共同体毎に千差万別なのです。現在の東アジアにおいて和解を成し遂げる上で、お互いを理解するだけでは無く、お互いが考える「和解」を理解する必要がるのだと考えさせられました。


 しかし、和解だけをひたすら唱えた所でそれが実現する事は無く、和解と向き合いその実現を目指すのならば、それがなぜ必要なのかを考える必要があります。事実、現在の東アジアの国際関係、特に日中韓関係に対する日本の国内世論を見た際、和解を提唱する様な人々は異端ないし左翼と言うレッテルを貼られ、相手にされないどころか攻撃の対象になってしまう事も多々あります。その様な背景にはやはり現時点での東アジアでは、各国国民が歴史問題などの諸問題を乗り越えてお互いこれらの問題に向き合い、和解を成し遂げようとする動機の欠如があり、それを提示するべき言論界や学術界がその役割を果たしていない事があるのではないかと思います。ディスカッションでは、「東アジアでの和解は必要なのか?」という議題に対して、多種多様な意見を頂きました。和解について否定的な見方は無かったものの、和解を成し遂げる為の手法における問題や国際関係での力関係により和解への歩みが止まってしまっている現状についての課題などについて熱いディスカッションが続きました。


 後半では和解においける映画の役割についてのディスカッションが行われ、参加者には学生映画監督から映画についての知識経験共に初心者の方など様々でしたが、驚く事に筆者の様な「和解」についてより学術的な立場から考えていた人間でも、知識経験関係なく色々考え語れました。映画とは、文字で綴られる様な繊細な感情描写、音楽で奏でられるあの琴線にふれる音色と映像がもたらす臨場感を一挙に詰め込んだ表現方法であり、まさに「和解」の様な複雑で尚伝わりづらいテーマを扱うには最も適切ではないのかと思いました。ワークショップの最後では「和解をテーマにした作品を作るとしたら、あなたならどう作りますか?」という様な問いに対し、参加してくださった方々から斬新かつ面白いアイディアを共有して頂きました。この中の作品の一つや二つが実際に映像化され、来年夏早稲田大学で開催される東アジア国際和解映画祭でお目にかかれる事を心から願っています。


 最後に、今回の第一回ERIFF SALON「TALK With クリエイターズ〜映画による和解の可能性を考える〜」が初回ながら盛況のまま無事に終える事ができ、ERIFF学生実行委員会スタッフ一同嬉しい限りです。今後とも東アジアにおける和解を考え、和解文化の伝播という理念の下、より多くの人々に「和解」について考えてもらうきっかけを作って行けたらと思ってます。


イベント当日のスクリーンショット:


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